フリーランスとして活動を初めて、すぐに気がついたことがある。
家の中では、なかなか仕事に集中できないのだ。
集中できない理由はいくつかある。誰も見ていないのでプレッシャーがないという点、そして時間にルーズになっているという点が大きい。
そういう人はフリーランスに向いていないのではという声もあるかもしれない。
しかし、人間は基本的に怠けてしまうものなのだ。
……いや、そんな言い切りをしても、何の解決にもならない。というよりも、時間にルーズになると、仕事以外にも悪影響を及ぼしてしまう。
これではいかんということで、自らタイムスケジュールを課すことにした。
そもそもタイムスケジュールを守れるなら、最初から仕事にも集中できるだろうと思うかもしれない。
確かに、集中力のある、やる気に満ちた人間は確かにタイムスケジュールをきちんと守るだろう。だが、私はそのような意識の高い人間ではない。集中力はすぐに途絶えるし、仕事をしながらネットサーフィンに興じるなど日常茶飯事である。
タイムスケジュールを守るために必要なことは、たったひとつしか無い。それは、誰にでもできることである。
そして、タイムスケジュールを守るようになると、物事への集中力ややる気は後からある程度身についてくる。
この記事では、
▶ タイムスケジュールを作ることとした経緯や、具体的なタイムスケジュール
に触れるとともに、
▶ タイムスケジュールを守るための確実な方法と、もたらされる効果
について詳しく説明する。
フリーランスとしての活動に限らず、もしあなたが私と同じように怠け癖があって悩んでいるのなら、参考にするのも良いだろう。
誰でもできる方法だが、全員に効果があるかどうかはわからない。しかし、ただやる気を出せというような回答ではないので、安心してほしい。
1. 人は怠けてしまう生き物である
現在、私がフリーランスとして行っている仕事は、主にWebライティングである。
Webライティングとは主にブログやサイトの記事作成のことだ。クライアントの要望に基づき、記事の構成や画像の選定を行い、文章を執筆し、納品を行う。
記事のテーマはさまざまであり、ファッションや健康、グルメ、保険、金融、映画の紹介など、多岐にわたる。
仕事は主にランサーズやクラウドワークス、サグーワークスといったクラウドソーシングサイトを通じて受注している。提案、受注から納品までの一連の作業は、家でパソコンを使って行う。
本格的に活動を始めるにあたり、仕事の時間を平日の午前9時から17時までと定めていた。なお、土日祝日は基本的に仕事はせず、納期が間に合いそうにない場合のみ、やむなく仕事をするといった感じだ。
初めのうちは、きちんと時間を守って仕事をしていた。だが、1カ月も経たないうちに、終了時間をだんだん守らないようになっていった。
一応、午前9時の開始は厳守していた。しかし、17時と定めていた終了時間は18時、やがて19時にずれ込み、ひどい時には日付が変わる直前といったような状態に陥ってしまった。
仕事の時間が増えているのだから、さぞ収入はアップしたのだろうと思うかもしれないが、全然そんなことはない。ただ単純に、ひとつの仕事にだらだらと時間をかけすぎていたのだ。
これはいけないと思い、勤務時間をもういちど定め直して気合いを入れようとした。しかし、気合いを入れてもしばらくすると、再びずるずると勤務時間が延びていった。
どうしたものかと、一時真剣に悩むこととなる。
いや、集中してやれよというだけのことなのだが、それは無理な話である。人間は基本的に怠けてしまうものなのだ(2回目)。
というよりも、同じようにフリーランスとして活動をはじめた人はみんな、本当に普段から怠けずに集中して仕事できているのだろうか。もしそう言い切れる人がいるなら、それは十分に誇って良いと思う。
もちろん、納期を破ったことは一度も無い。それに、納期が迫っていれば、それなりの緊張感のもとで集中して仕事を進められるというのは何度も実感している。
しかし、納期に余裕があれば、それほど急がなくても良いのでは……と思ってしまうのだ。いや、実は思ってすらいない。無意識のうちに行動にセーブがかかるのである。
だが、フリーランスとして生活をするなら、本来はそのようなことは言っていられない。
ひと月あたり、一週間あたり、一日あたりに稼がなければならない金額を常に気にしなくてはならないからである。この稼ぐべき金額を割り込んでしまったら、つまり赤字になったら大変だ。
集中力ややる気などを考える暇があるなら、とにかく手を動かすべきなのはわかっている。
わかっていても、コンスタントに集中力ややる気を継続させるのは、難しい。
(……実はしばらく赤字であり、貯金や不要品の売却で賄っている部分もあるのだが)
2. タイムスケジュールを作ることを決めた経緯
やる気や気合いが足りないのだ、とにかくもう一度仕事の時間を厳守しよう――何度もそう思った。
しかし、同じ事を考えているうち、ある疑問がわいた。
そもそもやる気や気合いが任意で出せるようなら、こんな悩みは抱えていないのである。何か別の方向から考えるべきではないか……と。
それで、ここしばらくの自身の生活を振り返ってみた。それは、以下のようなものである。
仕事の時間を守らないことによる悪影響は、何も報酬の減少だけではない。終業時刻がだらだらと延びると、他の活動に影響が出るのだ。
他の活動というのは読書であり、このブログの執筆であり、ブログのネタ探しであり、英語学習であり、その他諸々である。
ブログの執筆はアウトプットな作業だが、それ以外の活動は基本的にインプットの作業である。
別に、活字中毒なわけでも、仕事のスキル向上に対して意識が高いわけでもない。ただ、インプットをしないというのは漠然とした不安があるのだ。
漠然とした不安とは、自身に流れる時間の減速であり、ひいては思考の停止であり、自身が無意味で無価値な人間になってしまうというものだ。
なんという意識の高さ……。いや、意識は常に低く、普段から何か向上心を持って活動しているわけでもない。けれども、ただ何もせず、変わらずにいることに対して、居心地の悪さを感じるのである。
ちなみに、ランニングとロードバイクだけはなぜかコンスタントにできていた。身体を動かすことは、一時的にではあるが、確かに気分をリフレッシュさせる効果がある。いや、むしろリセットしている、というべきか。
だが、身体さえ動かしていればそれで良いというのは、ひどく粗野であり、乱暴であり、思考の停止を感じさせる。端的にいえば、スマートではないのだ。
リフレッシュやリセットは必要だが、それだけでは何も生まれないのである。
話が逸れたが、いずれにしても仕事の時間を厳守しなければ、仕事以外の活動に影響が出る。
仕事の時間を厳守する方法はあとで考えるとして、まずは1日24時間のうち、仕事とそれ以外の時間をどれだけ割くことができるのかを考えてみようと思った。
3. 具体的なタイムスケジュールについて
そうして出来上がったのが、現在従っているタイムスケジュールである。具体的には次のとおりである。
6:00 英語学習
7:00 仕事開始
12:00 仕事中断、昼食、昼寝
13:00 仕事再開
18:00 仕事終了、風呂
18:30 夕食、アニメ視聴
20:00 ブログのネタ作り、執筆
21:30 読書
23:30 就寝
タイムスケジュールの作成にあたっては、次の条件を設定した。
・英語学習は仕事前に入れ、仕事の開始時間も早めにする
・仕事の実働時間は8時間以上確保する
・執筆と読書の時間を1時間以上確保する
自身が朝に強いタイプであるため、英語学習は仕事前に入れるとともに、仕事の開始時間も早めに設定した。
会社勤めで所定の勤務時間が7時開始18時終了なら発狂ものだが、これでも実働時間は9時間程度であり(仕事時は1時間半ごとに10分の休憩をいれている)、一般的なサラリーマンが定時勤務するよりも1時間程度多いだけだ。
しかし、重要なのは仕事の時間ではない。いや、重要ではあるのだが、もっと重要なのは1日のうちに執筆や読書の時間をきちんと確保しているという点だ。
無理矢理にでも確保していないと、おそらく再び仕事以外のことをしなくなってしまう。そう思い、執筆や読書についても活動時間をきちんと定めたのである。
4. タイムスケジュールを守る、たったひとつの方法
今度こそ、この完璧なタイムスケジュールを守らなければと思った。しかし、やる気や気合いだけではどうにもならないことは、自分が一番良くわかっていた。
どうすればスケジュールを遵守できるか。いろいろと考えたが、思いついた確実な方法はひとつだけだった。
タイムスケジュールを守るたったひとつの方法――それは、「何があってもタイムスケジュールを遵守する」ということだ。
何を言っているのかわからないかもしれない。言い換えると、どんなことがあっても、時間が来たら必ず次の行動に移る、ということだ。
先に挙げたスケジュールでいえば、5時半に起床、6時から英語学習、7時から仕事、12時から昼食に昼寝、13時から再び仕事、18時から風呂、18時半から夕食とアニメ、20時から執筆、21時半から読書、そして23時半に寝るという、この「スタート時間を絶対に守る」ということである。
絶対に守るというのは、絶対である。
どれだけ英語学習が進まなくても、7時には仕事を開始する。たとえ仕事に集中できず、中途半端に終わったとしても、18時には絶対に仕事を終え、風呂に入る。執筆がノリに乗ってきても、21時半には必ず読書をはじめる。
そのようにしてスケジュールに必ず従い、次の行動に移っていくのである。
5. タイムスケジュールを守るコツ
タイムスケジュールを守るコツは、ふたつある。
ひとつは、開始時間を意識することである。
私の場合、先に挙げたタイムスケジュールにおけるそれぞれの活動の開始時間は、スマートフォンのアラームにセットしている。アラームが鳴れば必ず手を止め、次の行動に入る。
まるで自ら自由を縛っているような感じである。しかし、結果としてしなければならないことと、やりたいことがある程度両立できているのだから、今のところ悪くないと思っている。
もうひとつのコツは、睡眠時間である。
先ほど、ひとつ目のコツは開始時間を意識することだと説明した。では、タイムスケジュールにおける一番早い開始時間は何か。それは、起床時間である。
5時半の起床を守れなければ、設定したタイムスケジュールは崩れてしまう。もちろん、どうしても崩れた場合は他の活動を短縮せざるを得ないのだが、常にそれでは意味がない。よほどのことが無い限り、起床時間は確実に守ることが大切だ。
起床時間を守るためには、睡眠時間が大切である。そして睡眠時間を確保するためには、就寝時間の厳守が何よりも重要なのだ。
つまり、タイムスケジュールを厳守するコツは、実は前日の夜から既に始まっている。そのため、読書がノリに乗っていたとしても、23時半にはページを閉じ、興奮を静め、横になることが大事だ。
私の場合、6時間の睡眠があれば、一日の活動において支障はない。15分の昼寝もできればなおさらである。
6. タイムスケジュール通りに動いた結果
タイムスケジュール通りに動いた結果――つまり、強制的に次の行動へ切り替えるようにした結果、どういうことが起こったか。
不思議なことに、仕事のペースが前よりも上がった。
もちろん、最初のうちはタイムスケジュールを決めたことにより、気分がリセットされたということもある。
しかし、強制的に仕事を切り上げるようにすると、なんとかその時間までに終わらせようという意思が出てきたのである。
もちろん、終わらない場合もある。ただ、その場合でも進捗状況は上々であり、翌日の仕事に影響を与えることがなくなった。
場合によっては数十分程度の残業でその日のうちに終わらせることもある(残業をするとその後のスケジュールに影響を与えるため、できるだけしないようにしているが)。
スケジュール通りに仕事が終わると、スケジュール通りに執筆ができ、スケジュール通りに読書ができる。結果として、1日のうちに自分のしたいことがバランス良くできているという満足感が得られる。
いちど満足感を経験すると、あとは集中力とやる気が勝手についてくる。再びその満足感を得るために、時間内に仕事を終わらせようという意欲が湧く。そして執筆や読書に充てる時間ができる。このようにして、生活に好循環が生まれたのである。
7. どうしてもタイムスケジュールが崩れる場合
ただし、どれだけ強制的に活動を切り替えたとしても、どうしてもタイムスケジュールが崩れる場合がある。
この場合、仕事の時間は優先的に確保し、それ以外の活動時間を崩して帳尻を合わせるべきである。
たとえば、通院、あるいは郵便局や銀行への用事は日中に済ませる必要があるため、仕事の時間が割を食う形になる。これはある程度やむを得ない。
一方、食材の買い出しや仕事に必要な物品等の調達など、日中でなくてもできる用事は、仕事以外の時間で行うようにしている。あるいは、土日を利用してまとめて片付けることもある。
生活していく以上、仕事の時間はやむを得ない場合を除いてきちんと守らなければならない。これを破ると、仕事へのやる気が削がれていき、自堕落になってしまう。
日中以外でもできる用事は、仕事とは別の時間で行うべきである。
8. フリーランスだからこそ、自らを縛る必要がある
こうしてみると、通勤しているサラリーマンとあまり変わらない気がする。いや、サラリーマン以上にきちんと時間を決めて活動しているように感じる。
人間は基本的に怠けてしまうものなのだ(3回目)。だから、ひとりのときに決めたルールを守れないことは、当然のことなのである。それを悲観する必要はない。
しかし、怠ける生き物であるからこそ、フリーランスとして活動するのであれば、どうにかして自分を律して活動しなければならない。サラリーマンとは異なり、自ら動かなければ一銭にもならないからだ。
だからといって、やる気を出し、気合いを入れるなどという、「そもそもできないこと」を無理矢理する必要は全くない。強いきっかけがあれば話は別だが、やる気や気合いなどという不確かなものを出そうと努力するのは、基本的にするだけ時間の無駄であると思っている。
それよりも、やる気を出すための「仕掛け」を考えるほうが建設的だ。そうして、私は自らを型にはめるという方法を思いついた。
元からやる気のある人間からすれば、私のしていることはさぞ滑稽に見えることだろう。自ら自由を縛るなど、愚か者のすることである。
全くもってその通りである。いずれ、こうした縛りがなくとも動けるような、やる気に満ちた人間になりたい――そのように思う。
それでも、結果として自身のやりたいことができて、充足感を得られるのであれば、今はまだこの「不自由」に甘んじよう。

